ブラジル南部【シュラスコと世界三大瀑布のイグアスの滝】

今回は5つの地域に分けられるブラジルの中での、ブラジル南部について紹介します。

ブラジル南部は、他の4つの地域に比べて面積が一番小さく、気候と文化の面で1番ブラジルらしくない地域、ともいえるかもしれません。

温帯気候に近く四季があるため、南部の一部の地域では冬に雪が降ることもあります

そして、冬は東京と同じように冷え込むところも多いので、ブラジルと聞いて連想する一年中暑い気候のイメージとは違う場所です。

また、文化の面で言えば、この地域はヨーロッパ系の移民によって植民地開拓が進められた歴史があるので、多くのイタリア系、ドイツ系、ロシア系などのルーツを持つ人々が住んでいます。

そのため、白人が8割を占めるという、ブラジルの中でも白人が多い地域として知られているんですよ。

グラマドという南部の街は、街の雰囲気がまるでスイスのような雰囲気であったり、ブルメナウという街ではドイツ文化が根付いているため、毎年大規模なオクトーバーフェストというビール祭りも開かれています。

これだけでもブラジルのイメージとは違う気がしてきませんか?

もちろん、南米大陸のスケールの大きさを感じられる世界遺産のイグアスの滝もあり、南部も見どころが満載です。

ブラジル南部がどういった地域なのか、その世界をちょっと一緒に見てみましょう♪

目次

ブラジル南部の特徴と気候

南部の雰囲気を連想するイメージ

ブラジル南部はポルトガル語でSul(スル)といいます。

面積は小さい地域ですが、この地域がブラジルの中で一番生活水準が高いと言われているところです。

気候は温帯気候に近いので、四季があり、冬には日本のように冷え込み、一部の地域では雪が降ることもあります。

南半球で季節が日本とは逆なので、日本で夏にあたる時期がブラジルの冬になるわけですね。

ちなみに、今年2021年7月にも南部で雪が降ったとニュースになっていました。

これがその動画ですが、びっくりするほど雪がすごいです!

また、南部はパンパとよばれる草原が広がり、放牧が盛んな場所でもあります。

そしてこの地域のもっとも大きな特徴は、ここには最も多くヨーロッパ系移民がいるため、ヨーロッパ文化が根付いているということです。

そのため、一番ブラジルのイメージとは離れている地域とも言われています。

そんな南部は3つの州で構成されています。

3つの州で構成されている

南部は、パラナ、サンタカタリーナ、ヒオグランジ・ド・スルの3つの州で構成されています。

黄色のSulとされている部分になります。

ブラジルの州を示す画像
https://www.v-brazil.com/information/geography/Brazilian-states.html

ブラジルの最も南に位置していて、アルゼンチン、ウルグアイにも接しているため、南部の海岸はブラジルのみならず、隣国の観光客にも人気の場所となっているんですよ。

そして、これら3つの州の出身の呼び方は以下のようになります。

出身州呼び方
Paranáparanaeseパラナエンセ
Santa Catarinacatarinense
santa-catarinense
カタリネンセ
サンタ・カタリネンセ
Rio Grande do Sulgaúcho/a
sul-rio-grandense
ガウーショ
スー・ヒオ・グランデンセ

ヒオグランジ・ド・スルの出身の場合は、ガウーショという呼び方の方が有名です。

これは、南米のこの地域を開拓したカウボーイのことをガウーショと呼ぶのが由来になります。

ちなみに、ロナウジーニョという元ブラジル代表の有名なサッカー選手がいますが、彼は南部出身なので愛称として「ガウーショ」とも呼ばれていたんですよ♪

続いてはブラジル南部の食についてみてみましょう!

ブラジル南部の食について

ブラジルの食を連想するイメージ

煮豆などの一般的なブラジル料理もありますが、 南部では移民によるヨーロッパ文化が根付いているため、 ヨーロッパ風にパスタやソーセージ、ビールなども好んで食べられている傾向があります。

そして、ガウーショによる放牧が盛んだったため、牛肉が名産で、ブラジル料理として有名なシュラスコ(ブラジル風BBQ)も、実は南部発祥の料理だったんです!

シュラスコは南部が本場のブラジル料理

シュラスコは炭火で焼くブラジルのBBQで、家の庭でみんなでビールを片手に楽しんだり、お店に食べに行ったりと、ブラジル人が大好きな料理です。

シュハスコの画像
https://chowcation.com/brazil/churrasco-grilled-meat/

ポルトガル語ではシュハスコ(Churrasco)と呼ばれます。

シュハスコを提供する専門店のことをchurrascaria(シュハスカリア)といい、お店の人が櫛に刺さった焼きたてのお肉を持ってテーブルに回ってきてくれます。

日本でもシュハスコはすでに有名なブラジル料理の一つですよね!

もともと南部を開拓するガウーショたちが、串刺しにしたお肉を炭火で焼いて食べたことが起源で、そこからシュハスコとしてブラジル全土に広がっていきました。

岩塩のシンプルな味付けから、ヴィナグレッチという、トマトや玉ねぎがみじん切りされた、さっぱりとしたビネガーソースをかけて食べたりもします。

日本でも、とくに暑い時期にはシュハスコでエネルギーチャージするといいかもしれませんね♪

そして、もうひとつ南部で有名なものとしてマテ茶というお茶があります。

「飲むサラダ」と言われる栄養満点のマテ茶

マテ茶の画像

マテ茶はブラジル南部に限らず、隣国のアルゼンチンやパラグアイでも広く飲まれているお茶です。

「飲むサラダ」と言われるほどにミネラル、ビタミンなどが豊富に含まれています。かつては、肉食のガウーショ達の栄養を補うものでもありました。

マテ茶はポットに入れて飲む方法もありますが、上の画像にあるような、Chimarrõn(シマホン)というちょっとユニークな飲み方もあります。

クイアと呼ばれる木の入れ物に茶葉とお湯を注いで、ボンバというストローで飲むという方法です。

1つのシマホンを、みんなで回し飲みするのが伝統的な飲み方だそうです。なんだかおもしろいですね!

マテ茶は、かつて日本でもペットボトルで販売されていたので、しょっちゅう飲んでいましたが、販売終了したのか今ではめっきり見ませんね…

シマホンはちょっと手に入れられそうにないのでw、まずはティーバッグのマテ茶でも買ってみようかなぁと思っています^^

続いては、ブラジル南部の世界遺産について紹介します!

ブラジル南部の世界遺産【イグアスの滝】

イグアスの滝の画像

ブラジル南部のパラナ州とアルゼンチンの両国にまたがるイグアス国立公園は、1986年に世界遺産として登録されました。

その公園内に、世界三大瀑布の一つとしても知られるイグアスの滝はあります。

「イグアス」とは、先住民グアラニー族の言葉で「大いなる水」を意味しているそうです。

イグアスの滝は、大小275の滝からなり、二段構造の滝が多いのが特徴です。

ブラジル側とアルゼンチン側の両方からその姿を望むことができ、それぞれ違った表情を見ることができます。

遊歩道もあるので徒歩でも観光できますが、船、ヘリコプターでも観光できるそうですよ。

そして、「悪魔の喉笛」といわれる最大落差82mもあるポイントでは、その水の流れ落ちる轟音が悪魔の唸り声のようであることからその名前がついています。

こちらの動画では、イグアスの滝と南米大陸のスケールの大きさが見て取れます。

圧倒的な迫力…こんなに雄大な場所に一生に一度は訪れてみたいですね。

それでは最後に、一番ブラジルらしくないと思われるブラジル南部のグラマドという街を紹介します。

スイス風の街グラマド(Gramado)

ブラジル南部のヒオグランジ・ド・スル州にあるグラマド(Gramado)という街は、まるでスイスにいるかのような錯覚に陥る、異国情緒あふれる街です。

グラマドの街の画像
https://www.melhoresdestinos.com.br/dicas-gramado.html

山岳リゾートとしてブラジルでも人気の観光地で、チョコレートやチーズフォンデュなども楽しむことができます。

南部にヨーロッパ系が多い理由は、かつて南部開拓の際にヨーロッパからたくさんの移民が来たことにあります。

それに加えて、第二次世界大戦後にも、多くの移民がブラジルに来ました。

グラマドは、夏には咲き乱れるあじさい、冬にはキレイなクリスマスイルミネーションなど、一年を通してそれぞれ違った楽しみ方ができる街です。

ただ、1日のうちの寒暖差が大きいことや、冬には雪が降ることもあるので、滞在する際には各自で調節する必要がありそうです。

グラマドとその隣のカネラという街もあわせて、ブラジルのイメージとはまた違った風景が楽しめますよ♪

街を散歩しているこのような動画もありました♪

動画の街並みだけをみると、ここがブラジルだとは思えない気がしませんか?

広大な面積と多様な人種、さまざまな文化をもつブラジルだからこそ、このような異国情緒を感じられるんでしょうね。

ブラジルには面白い場所が本当にたくさんありますね!

まとめ

今回はブラジル南部について紹介しました。

気候的にも文化的にも一番ブラジルらしくないと言われる地域で、その理由についても紹介しました。

冬には雪が降ることもあったり、ヨーロッパ文化が根付いていたりと、同じブラジルでも全く違った顔を持つ地域です。

ブラジル風BBQのシュハスコは、今や世界中で有名なブラジル料理ですが、その発祥は南部のガウーショたちの料理からだったんですね。

また世界遺産として、イグアスの滝は世界三大瀑布の1つですが、その規模や迫力は他の2つより圧倒的に大きいものです。

そしてスイス風の街並みのグラマドなど…ブラジルと一言でいっても、その地域それぞれで独特な特徴がありますね。

ブラジル全土を旅すると、いろんな外国に行ったような気になるという言葉を聞いたことがありますが、実際本当にそう感じるだろうと思います。

それくらいそれぞれの地域に独自性があって面白い…ブラジルは本当に興味深い国なんだなと改めて感じます。

少しでもブラジル南部について面白いと思っていただけたら嬉しいです。

最後まで読んでくださってありがとうございました! Tchau tchau!

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このブログを運営している人

ブラジル音楽がきっかけでポルトガル語の学習を独学で始めました。
英語とポルトガル語をたのしく学ぶために、いろいろ試行錯誤中です。
学んで得た知識や気付きなどを記事にしています♪

コメント

コメント一覧 (1件)

  • Brancaさん、久しぶりに見てみたら、南部の紹介があってうれしくなりました。動画の紹介もありがとうございます。知り合いがこの地域を教えてくれて、私もブラジルのイメージががらりと変わりました。本場のシュハスコを食べて、シマホンでマテ茶飲んでみたいですね。

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