日本語と英語の音の違いを比較【私たちは特殊な言語を話していた!】

Hello!英語とポルトガル語を独学中のBrancaです。

日本人にとって英語を習得するのは難しいってよく聞きますよね?

英語を勉強している私としては、そんなこと聞きたくない!と思ってあえて今まで気にしないようにしていました^^;

違う言語なんだから何の言語であっても難しいんじゃないの?と。

でも、リスニングが思うように上達しなかったり、英語力が伸び悩んだときに、そもそもどうして英語はそんなに難しいって言われるんだろう、と疑問に感じたんです。

日本語と英語の違いを知って、なぜ難しいのかがわかれば、何か攻略できる方法が見つかるかもしれない…

そんな期待も膨らんで、いろいろと気になったことを調べました。

そうすると、英語と日本語が違うリズムを持っていたり、音の数の違いを持っていることがわかりましたが、さらに面白い事実も明らかになったんです!

それは、日本語が「特殊な言語」だったということ

どうやら英語が難しく感じるのは、日本語が特殊すぎるのが原因だったようです…。

今回は、いろいろな視点からその違いや特徴をまとめてみました。

雑学知識として、その違いについて軽く読んでみていただけると嬉しいです^^

目次

日本語と英語の音のリズム

音とリズムを表すイメージ

街でふいに聞こえてきた外国人の会話の音とリズムだけで、英語だな、とかイタリア語っぽいな、などと感じたことがありませんか?

中国語ではないけど、それっぽい話し方だけで中国人を演じている某兄弟芸人さんのネタもありますよね。

昔から個人的にすごく好きなネタですw

つまり、言葉の意味がわからなくても、私たちはリズムやイントネーションから何語なのかを推測できているということです。

言語にはそういったある一定のリズムが存在していて、その規則性などから大体3種類のリズムに分類されています。

そのリズムとは、シラブルリズム、ストレスリズム、モーラリズムの3つ。

なんだかどれも聞きなれない単語ですが…。

これらは一体どんなリズムで、日本語と英語はどのリズムに分類されているのでしょうか。

シラブルリズム(syllable-timed rhythm)は多くの言語が持つリズム

まずは、このシラブルという言葉について見ていきましょう!

シラブル(syllable)とは、「音節」のことを意味しています。

手拍子などの「拍」と同じと考えるとわかりやすいかもしれません。

シラブル(音節)は、「子音+母音+子音」を1セットとする、母音を中心とした音の塊のことです。

そして、世界中の多くの言語は、このシラブルを基本にした言語だとされています

このシラブル(音節)が、同じ長さをもって繰り返されているように聞こえるものを「シラブルリズム」と呼びます。

シラブルリズムに分類される言語はたくさんありますが、中でも代表的なものは、イタリア語やフランス語、ポルトガル語などのラテン系言語です。

このシラブルリズムとストレスリズムの違いについて表したこんなイラストを見つけました。

言語のリズムを表すイラスト
https://seattleartistleague.com/2021/01/18/30sal-challenge-rhythm-and-repetition/

上に示してあるシラブルリズムは、一定のリズムを保っているのが特徴として表現されていますよね。

そして、その下のストレスリズムはというと、大きかったり小さくなったりと変化しているように見えます。

どのような特徴を表しているのか次で説明しますね。

英語はストレスリズム(stress-timed rhythm)の言語

「ストレスリズム」は、音節よりも音の強弱を重視するリズムのことをいいます。

つまり、「強く長く発声される部分」と「弱く短く発声する部分」が交互に規則的に聞こえるメリハリのあるリズムとなります。

このストレスリズムに分類されるのが、英語やドイツ語などのゲルマン系の言語とされています。

例えば、アメリカの人が、「ワターシハ、アメーリカカラキマーシタ。」という感じで話しているのを聞いたことはありませんか?

これは、ストレスリズムのまま日本語を話そうとしているから、強弱のある英語っぽい日本語になってしまうということだったんです。

私たちが英語っぽいと感じる理由は、このストレスリズムによるものだったんですね。

日本語が属するモーラリズム(mora-timed rhythm)は少数で特殊

モーラリズムは、シラブル(音節)よりも小さい音(モーラ)を単位にしています。

モーラは「子音+母音」を1セットとし、その一つ一つの音を同じ長さで発声するのが「モーラリズム」です。

このリズムの言語はとても少なく特殊だと言われており、唯一このモーラリズムの言語なのが日本語。

他の多くのアジア系言語でさえシラブルリズムの言語なので、やっぱりその点でも日本語は特殊だと言えそうです。

たしかに、日本語は、カナ1文字ずつが子音+母音のセットで、それらを同じ長さで発声していますよね。

すべてが同じ長さで繰り返されるので、ある意味単調なリズムに聞こえがちでもあります。

ですが、日本語は三三七拍子や五・七・五など均一さを良しとする文化がありますから、この独特なリズムを生かしてきたんでしょうね。

最後に、これらの3つのリズムを比較するとこのようになります。(比較解説画像はお借りしました。)

3つのリズムの解説図
https://studyhacker.net/english-learning-channel-rhythm

実際の文章に対応させてみるとその違いがわかりやすいと思います。

言語のリズムを掴むことは、実はリスニングとスピーキングスキルの向上にもつながってきます。

「外国人になりきって話す」ことが良いと言われるのも、このリズムを掴む意味があったということですね。

日本語と英語の音と文字を比べる

音と文字を表すイメージ

3つの言語のリズムの分類から、日本語と英語は異なるリズムの言語にあることがわかりました。

日本語は均一なリズムを持つ言語に対し、英語は強弱のあるリズミカルなリズムの言語というものでしたね。

これは、日本語の子音+母音を基本とする50音の音のしくみに影響しているかもしれません。

逆に英語は子音が連なるものや、スペルと発音が異なる単語などもありますよね。

違いをもっと見ていくために、ここからは日本語と英語の音の数や文字に注目してみましょう。

同音異義語が多い理由は母音の数が少ないから

日本語と英語の母音の数の差を比べてみると、日本語の母音は「あ、い、う、え、お」の5つに対し、英語は30近くあるんです。

すごい数の差だと思いませんか?

英語は母音同士を組み合わせたり、子音とも組み合わせたりして母音を形成しているため、音のバリエーションがとても多いです。

英語の母音を表す画像
https://nipponglish.com/vowels/

そして、私たち人間の脳は、発音したことのない音は聞き取れないと言われています。

英語の持つ多くの母音の音の影響によって、母音の少ない日本語を話す日本人には、より英語が聞き取りづらい原因となっていたんですね。

また、日本語は母音の数が少ないという理由から、同音異義語が多いといわれています。

例えば、「はし」と聞いたときに、頭の中で「橋」なのか「端」なのか、文脈で判断していますよね。

私たちはそれらを当たり前に処理できていますが、これは日本語の特殊性からくるものだったんです。

それは、日本語がひらがな・カタカナと漢字の組み合わせから成る言語だったことに由来しています。

意味を持つ表意文字と意味を持たない表音文字

文字には「表意文字」と「表音文字」というものがあります。

表意文字:一つ一つの文字が意味を表している文字のこと

表音文字:一つ一つの文字に特に意味はなく、発音をそのまま表している文字のこと

文字を表すイメージ

日本語は、ひらがな・カタカナと漢字の文字を持つ言語ですよね。

ひらがなとカタカナは表音文字で、その一つ一つの文字には特に意味を持っていません。

一方、漢字は文字一つ一つに意味がある表意文字になります。

私たちは、仮に日本語の発音が多少違っていても、相手が言っている言葉を推測して、頭の中で文字に無意識に変換していると思うんです。

例えば、「せんたくき」という言葉でも、話すときには「せんたっき」と言いますよね?

通常の「く」の文字の発音とは違っていても、そこまで発音自体には注目していないと思います。

それは、私たちが頭の中で日本語を読んでいるからだと考えられます。

日本語は音で判断するというより、文字として「読む」ことを重視している言語だといえます。

それに対して、英語はその逆の言語だとも言えます。

英語のアルファベットは表音文字で、アルファベット一文字だけでは意味を成しません。

その代わりに、英語は「音」に意味を持たせようとします。

そのため、英語は少しでも発音が違えば理解してもらえないし、もともと相手は違う音で発音できているので、こちらの言いたい言葉を推測してくれることもありません。

英語は音に意味を持って、「話す」ことを重視している言語だということです。

だから、英語は発音が大切だと言われていたんですね。

ネイティブ並みの発音になる必要はないですが、「伝わる英語」になるにはとにかく音が重要だったということです。

ここが日本語と英語の音の比較として大きく違う部分と言えますね。

英語と日本語は違いすぎる言語

ここまで日本語と英語の違いについて、リズム、音、文字の面から比較してきました。

日本語は英語とかなり違うということは、もうはっきりとわかりましたね。

言語の差を表すイメージ

そして、日本語は他にはないモーラリズムという特殊なリズムを持つ言語…

こんな特殊性を持つ日本語を話している日本人は、外国語を習得するのに不利なのではないか?とすら思えてきました…。

外国語習得において日本人は不利なのか

有利か不利か、という点では、残念ながら日本人は「不利」だと言えると思います。

なぜなら、先にも言いましたが、日本は唯一ともいえるモーラリズムの言語、文字も表音文字と表意文字の組み合わせによるもの。

他の言語との共通点がなく、違和感だらけですよね。

英語を学ぶとなったときには、同じアルファベット、同じリズムを持つ言語を持つ人の方がやっぱりその習得は簡単なはずです。

仮にリズムが違っていたとしても、英語と同じルーツを持つインドヨーロッパ語族であれば、単語の意味や基本的な部分が共通しているので、こちらも明らかに有利でしょう。

現にヨーロッパの人々は、母国語と英語を話せる人が本当に多いですからね。

これは真実だとしても、こんなに日本人だけ不利な点ばかりって辛いですよね…。

せめて、日本語を話すからこそ有利な点っていうものはないのでしょうか?

そう思って色々調べていると、脳科学の分野において、ちょっと面白い話を聞きました。

自然の音を美しいと感じる日本人とノイズに聞こえる外国人

自然を表すイメージ

例えば、秋の夜の虫たちの声、カエルの鳴き声と雨の音…

こんな風情のある音を、日本語以外を母語とする人にとっては雑音に感じたりするんだそうです。

こういった音で季節の移り変わりを感じたり、心を和ませたりしている人は多いと思いますが…

実は、これは日本人だからこそ持っている感性だったようです。

それは、日本語の言語体系と地球が発している「シューマン共振」なるものが影響していました。

また、聞きなれない単語が出てきましたが…^^;

シューマン共振」とは、簡潔に言えば地球が発している「周波数」のことです。

(その基本周波数は7.83Hzとされていて、自然界の音が発する周波数も同じ数値。)

そして、実は私たち人間も脳波を発しているんです。

人間が集中したり、いわゆるゾーンに入っているときの脳の周波数が、シューマン共振の7.83Hzに近い数値だと言われています。

だから私たちは自然に触れるとリラックスできたり、集中力が増すように感じたりするんでしょうね。

そして、日本語の言語の特徴から、日本人が他に比べてこのシューマン共振の効果を得やすい、と言われているそうです。

日本語は子音+母音を組み合わせて、和音のように共鳴させながら言葉を紡いでいる言語。

例えば、「な」は「N+A」を組み合わせているため、「なー」と伸ばしているといつの間にか「あ」の音だけを発音していることになります。

こういった特徴から、日本語を母語とする人は他の言語を話す人に比べて、母音だけを聞きとる能力が高いらしいのです。

そして自然の音も様々な音の組み合わせの和音として、共鳴して聞こえてきています。

なので、日本人は聞きなれた日本語と同じ構造だと感じ、自然界の音を美しいと思えるということなんですね。

ですが他の言語を話す人にとっては、そういった和音を聞きなれないために、自然音がノイズに聞こえることもあるらしいのです。

このシューマン共振は、それ自体は証明されていますが、人間に与える影響などの絶対的な証明はされてはいないようです。

ですが、自然の音に心癒されますし、いろいろ調べていると、やはり影響を受けているかも…と思える部分もありました。

それに、日本語を話すからこその特別な感覚だとしたら、ちょっと人生得をしてるとも感じませんか?^^

日本語話者だからこそ持つ「和」の心

和の心を表すイメージ

先に述べたシューマン共振は「シューマン共鳴」とも呼ばれています。

共鳴、共感…これは私たち日本人が持つ「和する」心と似ているんです。

日本は言葉だけでなく、その裏側にある相手の意思を汲み取り、察するという文化を持っていますよね。

これは簡単に身に付けられる能力ではなく、それは日本のおもてなしの心にも表れています。

これは、日本語の音を組み合わせて和音として共鳴する構造からも、日本人の中に「和の心」として深く組み込まれているのではないでしょうか。

「和」というと一般的には日本風というイメージがありますが、もともとの意味としては、「おだやかな様子・仲良くする」といった意味を持つ漢字です。

また、かなり時代を遡りますが、聖徳太子の十七条憲法にも「和を以て貴しとなす(わをもってとうとしとなす)」という言葉があります。

これは、他人との協調・調和が大切であるという意味が込められていて、それを一文字の「和」と表しているんですね。

それが今では「和≒日本風」と捉えられていることを考えると、日本の長い歴史の中、「調和する大切さ」を脈々と伝えられてきたことを感じさせます。

言語としては独特すぎる日本語ですが、その個性ゆえに海外にはない和の心を培うことができた、とも言えます。

日本語を話せる私たちは、その唯一無二の和の文化や心が、逆に強みだと言えるのではないでしょうか。

外国語を学ぶたびに、やっぱり自国のこともきちんと知る必要があるといつも思わされます。

まとめ

今回は、英語と日本語の音の違いを比較することによって、英語と日本語がどれだけ違いがある言語なのかをまとめていきました。

リズムや文字を比較する中で、日本語だけがあまりに違いすぎることから、外国語を習得するのに不利だともいえる立場であることもわかりました。

これは外国語を学ぶ身としては結構辛い事実ではありますが…

でも、捉えようによっては、違うからこそ面白いとも言えますよね。

そして、日本語を話す日本人だからこそ、相手に共感して察することのできる能力、和の心を私たちは持っています。

この能力を生かしながら、外国語を学んだり外国人とコミュニケーションしていくことが大切です。

日本人らしい「和する」心をもって楽しく外国語を学んでいけば、日本人だから不利などと思う必要はありません♪

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

このブログを運営している人

ブラジル音楽がきっかけでポルトガル語の学習を独学で始めました。
英語とポルトガル語をたのしく学ぶために、いろいろ試行錯誤中です。
学んで得た知識や気付きなどを記事にしています♪

コメント

コメントする

目次
閉じる