ブラジル南東部【サンパウロのピザとリオデジャネイロのファベーラ】

今回は、ブラジル南東部について紹介します。

南東部は、ブラジルの商業や観光など、産業の中心を担っているだけでなく、人口の大半もここに集中している、ブラジルの中枢ともいえる地域です。

リオのカーニバルでおなじみのリオデジャネイロ、日系ブラジル人が最も多く住んでいるサンパウロなどの都市があるのも、ここ南東部なんです。

南東部にはおいしいブラジル料理がたくさんありますが、今回はその中でもブラジルのピザについて紹介しています。

ブラジルでピザ?と思うかもしれませんが、ルーツを知れば納得、そしてユニークなトッピングにはブラジルらしさも感じられて面白いブラジル料理の一つなんですよ。

また、世界遺産として、リオデジャネイロは街の景観が文化遺産として登録され、その海と山に囲まれた美しい街は国内外から人気の観光地でもあります。

そして、最後にブラジルの都市に広がるファベーラについても紹介しています。

ファベーラとはブラジルのスラム街のことですが、ブラジルは貧富の差がとても大きいので人々の生活レベルにも大きな差があるのが現状です。

そういった現実問題にも目を向けてブラジルのことを知ると、日本に住んでいるだけではきっとわからない価値観なども見えてくると思います。

ブラジル南東部について、少しでも興味を持って気軽に読んでいただけると嬉しいです♪

それではいってみましょう^^

目次

ブラジル南東部の特徴と気候

ブラジル南東部の気候を連想するイメージ

ブラジル南東部はポルトガル語でSudeste(スデスチ)といいます。

商業、観光などブラジルの産業全体の中心地で、ブラジルの人口の大半もこの地域に集中している、ブラジルで最も重要とされる地域です。

この南東部の気候は、北部の熱帯性気候とは異なり、亜熱帯気候~温帯気候となるので、あまりはっきりしないものの四季があります。

そして南半球なので季節は日本とは逆になり、11月~4月にかけてがブラジルの夏にあたります。

ちなみにリオのカーニバルは、毎年日付は変わりますが、2月~3月の夏真っ盛りの時期に行われていますよ♪

また、日系人が最も多く住んでいるサンパウロでは結構曇りの日も多く、冬には霜が降りたりと、さらに季節がはっきりしてきます。

南になるほど、ブラジルからイメージされる一年中暑い気候とは変わってくるんですね。

そして、この南東部は4つの州で構成されています。

4つの州で構成されている

南東部は、ミナスジェライス、エスピリトサント、リオデジャネイロ、サンパウロの4つの州で構成されています。

赤色のSudesteとされている部分になります。

ブラジルの地域を説明する画像
https://www.v-brazil.com/information/geography/Brazilian-states.html

この地域は面積自体は他の地域に比べて大きくはないですが、ここにブラジルの人口の約半数が集まっているなんてすごいですよね。

南米全体で見ても、サンパウロは最も栄えている都市と言われているんですよ。

そして、これら4つの州の出身にも、それぞれ以下のような呼び方があります。

出身州呼び方
Minas Geraismineiro/aミネイロ
Espírito Santoespírito-santenseエスピリト・サンテンセ
Rio de Janeirofluminenseフルミネンセ
São Paulopaulistaパウリスタ

ここで豆知識ですが、リオデジャネイロ州の中でも、リオデジャネイロ市出身の人は、カリオカ(carioca)という呼び方をします。

同じように、サンパウロ州でも、サンパウロ市出身の場合はパウリスターノ(paulistano/a)といいます。

中心地の出身という自負もあったり、大都市なのでエリアをさらに限定して出身を表現したいのかもしれませんね。

どちらにしても、ブラジルの出身州の呼び方は面白いなと思います^^

続いては南東部の食事について見てみましょう!

ブラジル南東部の食について

ブラジルの食事を連想するイメージ

南東部では、魚もありますが、やはり牛肉や豚肉、鶏肉などの肉類の方がよく食べられています。

ブラジルでは定番のお米と煮豆、また、ファロッファというキャッサバ芋の粉になったものなども食べられています。

ブラジルには地域によって、独自の文化をもった美味しい料理が本当にたくさんありますよね。

この南東部にもたくさん美味しい料理がありますが、今回は、ピザについて紹介します。

一番ベタなようで、でもちょっと意外な料理なんですよ♪

サンパウロは世界で2番目に多くピザが食べられている都市だった!

ブラジルピザの画像
https://vejasp.abril.com.br/comida-bebida/roteiro-onde-comer-pizza/

えっ?と思うかもしれませんが、ブラジルはピザが美味しいことで実は有名なんです。

ピザの消費量で比べると、ニューヨークに次いでブラジルのサンパウロ市が世界で第二位らしいです。

ブラジルでは7月10日がPizza day(ピザの日)としてお祝いされているそうですよ♪

なぜ、ブラジルでピザがメジャーなのかというと、それはブラジルにやってきたイタリア人移民の影響があるからなんです。

はじめは主にサンパウロに住むイタリア系ブラジル人の間だけで食べられていましたが、徐々にブラジル全体に広がっていきました。

ブラジルのピザは基本的に生地が薄く、フォークとナイフで食べるスタイルなのが特徴です。

そして、ブラジルではピザはランチではなく、ディナーとしての食べ物なんです。

お店ではrodizioという、いわゆる食べ放題スタイルが主流で、お店の人が焼きたてのピザをもってテーブルに回ってきてくれます。

そしてブラジルのピザは、独特で多様なトッピングがあることでも知られています。

塩辛いものから甘いものまで…ユニークなピザのトッピング

ブラジルでは多種類のメニューがあることでも有名で、カラブレーザと呼ばれるイタリアのソーセージや、パウミットというヤシの新芽の部分を使ったトッピングなどがあります。

そして、ブラジルの人は甘いものが大好きで、甘いデザートピザ(pizza doce)なるものも存在します。

デザートピザの画像
https://www.receiteria.com.br/receitas-de-pizza-doce/

それらのトッピングには、バナナやチョコレートをはじめとして、アイスクリームを添えたものなどもあります。

上に挙げた画像は、ブリガデイロというブラジルのチョコレートのお菓子と同じ味付けになっているようです。

こちらの動画では、サンパウロのrodizioでおなかいっぱい美味しそうなピザを堪能していました。

ブラジルにピザが広まった理由などもちょっと説明されていたので、よかったら見てみてください♪

続いては、南東部の世界遺産についていってみましょう!

ブラジル南東部の世界遺産【リオデジャネイロ】

リオデジャネイロの画像

リオデジャネイロは2016年にオリンピックが開かれたことでも有名ですが、ブラジルといえばこの街!というほど、ブラジルを代表する都市です。

そして、この街はその山や海などと調和した美しさのある景観が評価されて、2012年に世界文化遺産に登録されているんです。

正式名称は「リオデジャネイロ:山と海との間のカリオカの景観群」といいます。

ちなみにリオデジャネイロは、ポルトガル語では「ヒウジジャネイロ」のように発音し、「1月の川(Rio de Janeiro)」という意味を持っています。

ポルトガル人が1502年1月1日にこの地を発見した際に、この地に広がるグアナバラ湾を川だと思い、そう名付けたのだそうです。

コパカバーナ海岸やイパネマ海岸、キリスト像がそびえ立つコルコバードの丘など、自然と都会がうまく調和して街が形成されています。

動画を見たほうがイメージが伝わると思うので、よかったらこちらをご覧ください。

YouTube
Rio de Janeiro, Brazil 🇧🇷 - by drone [4K] Olá and welcome to this beautiful aerial view of Rio de Janeiro, Brazil by drone.You will find all famous sights like the Sugarloaf Mountain, the Sambadrome,...

ちょっと余談ですが、リオデジャネイロには、にょきっと飛び出すように出ている岩山があります。

ポルトガル語でモッホというのですが、上の動画にも出ているリオを象徴するモッホには、「ポン・ジ・アスカール(Pão de Açúcar)」という名前がついています。

これは砂糖をまぶしてあるパンのことを意味し、その姿が似ていることからこの名前がついているそうです。

ケーブルカーがあるので、ここから街を一望することができますよ。

とても美しい街ですが、やはり美しいだけではなく…どこでも同じだと思いますが、大都市には光と影が存在します。

ブラジルには大都市の様々な場所にファベーラと呼ばれる貧しい人々が住むエリアがあります。

リオデジャネイロにもたくさんのファベーラがあり、丘に沿うようにして広がるその姿は、ある意味リオデジャネイロの景観の一つとして有名です。

街に広がるファベーラ

リオのファベーラの画像

ファベーラ(favela)とは、ブラジルでスラム街を意味する言葉です。

ファヴェーラは、19世紀後半に元々奴隷として連れてこられた人々が形成したコミュニティが起源となっているようです。

その後、1940年~70年代にかけての田舎から都市への大きな移住の波によって、規模が大きくなっていきました。

貧しくて住む場所を選べない人々が不法にどんどん住居を建てていったため、日当たりは悪く、四方八方に広がる電気配線など、住環境は必ずしも良いとは言えません。

また、警察の目が行き届きにくい理由から、麻薬密売などの犯罪の巣窟にもなっています。

ファベーラが危ない場所なのは間違いないですが、最近では英語が話せるファベーラの方がガイドとなって、中を案内してくれたりもしているようです。

ファベーラの中には商店やレストランなど、いろいろなお店があって、住民の関係性は強いものになっています。

そうやってファベーラの実情を知ることができたり、現地の人の仕事にもつながるのなら、このようなツアーは意味のある事だとは思います。

しかし、旅行者の中には興味本位でファベーラに近づく人もいるようで…

そういった軽率な行為は身の危険はもちろん、何よりファベーラに住む人々に対してとても失礼なことです。

外国に比べると日本はまだまだ平和で、価値観や危機管理など、自分にとっての当たり前の概念が実は違っていたということもあると思います。

ただ素敵な文化を知るばかりではなく、その国が抱える影の問題にも目を向けて考えてみることも大事ですよね…。

まとめ

リオデジャネイロのキリスト像の画像

今回はブラジル南東部について紹介しました。

ブラジルと言えばこの地域といえるくらい、大都市が集中し、いろんなルーツを持つ人々も多いので文化も料理も多様です。

特に、ブラジルでピザが美味しくて有名だとは、あまり知られていないのではないでしょうか。

ピザの本場イタリアよりも食べられているなんてびっくりです。

そして、美しい景観から世界遺産に登録されているリオデジャネイロは、世界有数の観光地でもあります。

イパネマ海岸などは、歌のタイトルから聞き覚えのある人もいるのではないでしょうか^^

オリンピックを経て、その知名度はますます上がったブラジルを代表する都市です。

そして最後に、ブラジルのファベーラについても少し紹介しました。

明るい部分も暗い部分の両方について知ることは、外国文化を学ぶ上でとても重要なことで…

そこから自分の文化と比較して新しい価値観を知っていくことができると思います。

南東部はブラジルで有名なので、たくさんの情報が紹介されていると思いますが、今回の記事について少しでも興味深いと思ってもらえたら嬉しいです。

最後まで読んでくださってありがとうございました♪obrigada!!

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このブログを運営している人

ブラジル音楽がきっかけでポルトガル語の学習を独学で始めました。
英語とポルトガル語をたのしく学ぶために、いろいろ試行錯誤中です。
学んで得た知識や気付きなどを記事にしています♪

コメント

コメント一覧 (3件)

  • brancaさん、初めまして
    私も最近ブラジルのポルトガル語に興味をもって、いろいろ見ているうちにbrancaさんのサイトに来ました。いろいろな動画や歌の紹介もありがとうございます。
    言葉の響きが素敵ですね。ほとんど意味は分かりませんが。
    ブラジル南部州の記事も楽しみにしています。いつかブラジルに行ってみたいです。

    • はぴこさん、コメントありがとうございます!
      ブラジルポルトガル語に興味を持たれているんですね!ブログも読んでくださって嬉しいです^^
      今日南部についての記事もアップしました!
      動画や音楽など、面白そうなものがあればまた紹介しますね。これからもブラジルやポルトガル語を一緒に楽しみましょう♪

      • Brancaさん、こんにちは。その日のうちに南部の紹介をアップしてくださっていたのですね。ありがとうございます!ブラジルのどの地域も一度は行ってみたいです。

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