ブラジル北東部【世界遺産のサルヴァドールと貧困問題】

今回は、5つの地域に分けられているブラジルの中での、ブラジル北東部について紹介します。

ブラジル北東部は、すべての州が海に面していて、ポルトガル人をはじめとするヨーロッパ人に最初に支配された地域なんです。

ブラジル最初の首都だった都市サルヴァドールもここ北東部にあり、カラフルな街並みなどの植民地時代の名残を多く残している場所です。

そして、当時アフリカから多くの奴隷が連れてこられたため、この地域ではアフリカに由来する慣習が色濃くミックスされたアフロ・ブラジル文化と呼ばれる独特の文化を持っています。

その文化から生まれたカポエイラというスポーツや、フェイジョアーダという豆の煮込み料理など、今やブラジルを代表とするものがたくさんあるんです。

しかし、実は北東部は社会問題として、貧困も大きな問題になっており、Wikipediaによると北東部の人口の58%が一日2ドル以下での生活を強いられているとのこと。

このように、歴史的背景からの独特な文化・慣習と、ブラジルが抱える現代の貧困問題など、すべてを包摂して、北東部は「もう一つのブラジル」とも言われています。

これらの点だけでも、ブラジルの他の地域と北東部は良くも悪くも異なる特徴を持っていると言えますよね。

そんな「もう一つのブラジル」の北東部について、一緒にその世界をちょっと覗いてみましょう♪

目次

ブラジル北東部の特徴と気候

ブラジル北東部の気候を連想するイメージ

ブラジル北東部はポルトガル語でNordeste(ノルデスチ)といいます。

北東部のすべての州が大西洋に面しており、沿岸部は多雨熱帯型で雨季があり、平均気温は30度ほどとなっています。

内陸部はセルタンと呼ばれる地域で、北東部のほぼ半分の面積を占め、一年を通して暑く雨が少ないため荒廃した地域が広がっています。

北部にあるベレンという街に向かう場合を除いて、内陸部を横断する人というのはほとんどいないそうです。

北東部は歴史的にポルトガル人をはじめ、ヨーロッパ人に最初に支配された地域で、一番最初の首都であったサルヴァドールという都市も、ここ北東部のバイーア州にあるんです。

そのため、植民地時代のカラフルな街並みが残っています。

また、アフリカからの黒人奴隷から由来した文化や慣習も色濃く、ブラジルの中で特にアフリカ文化とミックスされたアフロ・ブラジル文化が広がっている地域です。

このように、北東部は気候の違いだけでなく、風土や文化などのあらゆる独自性をもったユニークで面白い地域なんです。

そして、この北東部地域は、9つの州で構成されています。

9つの州で構成されている

北東部は、アラゴアス、バイーア、セアラ、マラニョン、パライバ、ペルナンブーコ、ピアウイ、ヒオグランジ・ド・ノルチ、セルジピの9つの州で構成されています。

青色のNordesteとされている部分になります。

https://www.v-brazil.com/information/geography/Brazilian-states.html

この9州のなかでも、バイーア州のサルヴァドール、ペルナンブーコ州のレシフェ、セアラ州のフォルタレーザの3都市は港湾都市として発展しています。

そして、これらの9つの州についても、それぞれの州出身の呼び方があるので紹介しますね。

出身州呼び方
Alagoasalagoano/aアラゴアーノ
Bahiabaiano/aバイアーノ
Cearácearenseセアレンセ
Maranhãomaranhenseマラニェンセ
Paraíbaparaibano/aパライバーノ
Pernambucopernambucano/aペルナンブカーノ
Piauípiauienseピアウイエンセ
Rio Grande do Nortenorte-rio-grandense
potiguar
ノルチ・ヒオ・グランデンセ
ポチグアール
Sergipesergipanoセルジパーノ

ブラジルは上記のように、すべての州において呼び方があるので面白いですよね。

次に北東部の食についてみてみましょう!

ブラジル北東部の食について

ブラジルの食事を連想するイメージ

ブラジル北東部では、お米だけでなくマンジョッカ(キャッサバ芋)やタピオカ、肉だけでなく魚もよく食べられます。

歴史的にヨーロッパ、アフリカ、先住民の文化が融合しているように、食事もそれらの文化が融合した独自のメニューもあります。

また、北東部もトロピカルフルーツが豊富で、マンゴーやグアバをはじめ、日本ではナッツとして食べられているカシューナッツも、ブラジルではその実も食べられています。

カシューアップル(caju)といって、ブラジル全土へは主にジュースに加工されて広まっています。

そして、北東部で有名な料理としては、ムケッカという煮込み料理があるんです。

ムケッカ(Moqueca)はシーフードのシチュー

ムケッカは煮込み料理のことで、水を加えずシーフードと野菜と油、そしてココナッツミルクを加えて煮込みます。

バイーア州のムケッカはココナッツミルクを使うことが特徴。

もともとはアフリカ由来のシチューだったようで、ポルトガルを経由してブラジルで広まったと言われています。

こちらの動画はムケッカを作る工程を説明しながら料理しています。

ポルトガル語ですべて説明されていますが、工程を見ながらなので楽しいですよ!

そしてとっても美味しそう…これは絶対好きなやつですw

ちなみに、南東部のエスピリトサント州ではココナッツを加えないタイプのムケッカが有名で、ブラジルにはこれら2種類のムケッカがあります♪

続いては北東部の世界遺産ですが、美しい場所がたくさんあってどこを紹介するか考えました…。

ですが、せっかく料理もバイーア州の名物料理だったので、次もバイーア州の都市サルヴァドールの歴史地区を紹介することにします^^

ブラジル北東部の世界遺産【サルヴァドール歴史地区】

北東部バイーア州のサルヴァドールという街は、美しい色彩の街並みと、植民地時代の面影を残す建物も多くあることから、1985年に世界遺産に登録されました。

サルヴァドールの街並み

正式にはサルヴァドール・デ・バイア歴史地区といいます。

ここは、1549年から1763年までブラジル最初の首都として機能していた都市です。

約200年間に渡ってブラジルの首都だったんですね。

現在では、ブラジルで3番目に大きな都市で、植民地時代の砂糖や金の交易で栄えた名残が街中にも多く残っています。

また、この街で特徴的と言えるのが、アフリカ系の文化が色濃く根付いているということです。

その理由は、当時アフリカから多くの奴隷が連れてこられたからです。

奴隷たちは、主に砂糖のためのさとうきび栽培の労働力、そして街に多々ある教会の建築要員として、1888年に奴隷制が禁止されるまで、連れて来られた数は200万人にものぼりました。

そのような歴史から、今でもここはアフリカ系の人々が多く住んでいるところです。

街並みはとってもカラフルで美しい反面、奴隷たちの暗い歴史というものも存在しているんですね。

話を明るく戻しますと、この地区にあるペロウリーニョ広場で、あのマイケルジャクソンもミュージックビデオを撮影したことがあるんですよ^^

それがこちらのビデオです。(ブラジルバージョンということで、冒頭はリオの風景がでてきますが、ダンスシーンはサルヴァドールで撮影されています!)

マイケルの天才的なパフォーマンスもさることながら、街並みの美しさや、アフリカとブラジルが融合した熱気とエネルギーも伝わってきます。

また、サルヴァドールといえば忘れてはならないのが、ここは大規模なカーニバルでも有名なんです。

カーニバルと聞くと、リオのカーニバルが連想されるかと思いますが、リオのカーニバルが観て楽しむ鑑賞型なら、サルヴァドールのカーニバルは踊って楽しむ参加型というような違いがあります。

毎年100万人近くの人が訪れ、4日間昼から明け方まで延々と続き、歌手と大きなスピーカーを山車に乗せて街を練り歩き、参加する人はその山車の周りを踊りながらついていくスタイルです。

先ほどのマイケルのビデオにも出てきた楽器演奏グループはOlodum(オロドゥン)といって、カーニバルを中心に活躍しているとても有名なグループなんですよ。

こんな素敵な街サルヴァドールですが、この街に限らず、冒頭に述べたようにブラジル北東部はよく貧困地域としても問題になっているんです。

やはり光と闇の部分の両方を知っておくべきだと思ったので、この社会問題についても紹介します。

ブラジル北東部が抱える社会問題【貧困と格差】

貧困問題を連想するイメージ

ブラジル北東部の貧困問題の原因として、地域によるものが大きいです。

ブラジル全体で比較した時に、サンパウロを代表とする南東部から南部は、先進国並みに発展しています。

一方、干ばつに襲われることもある北東部や、未開発の地もある北部、中西部などは、生活水準がかなり異なっている場所が多いのが実情です。

なので、一般的にはブラジルは南にいくほど治安もよく、生活水準も高いと言われています。

そのような地域格差のはじまりは、北東部がさとうきびの栽培で財を成していたため、工業化の波に乗り遅れて衰退していったからという背景もあるようです。

また、地域による貧富の格差は教育の格差にもダイレクトに結び付いています

例えばサルヴァドールでの識字率は81%程度といわれているそうです。

(文字の読み書きができない人々の傾向として、北部や北東部、60歳以上の人が多いとされているので、若い年代に絞ればまた違う値が出るとは思います。)

家庭環境によっては学校を辞めざるを得ず、義務教育を終了できない子供もいます。

十分な教育を受けられなければ必然的に仕事も限られ、当然良い所得は望めませんよね…

生まれ育った地域や、家庭環境の影響で生じた貧富の差は、そのまま子供たちの将来にも影響してくるということです。

そして今、コロナの影響でその貧困はさらに拡大しているともいわれています。

Yahoo!ニュースでもブラジルにおけるコロナの経済格差について書かれているこのような記事もありました。

ブラジルはもともと貧富の差がとても大きい国なので、これは本当に深刻な問題で、この格差が少しでも変わっていけばいいなと願うばかりです。

ブラジルに限らず、どの国でも未来のために教育に対する投資をしていく必要があるし、子供たちの未来への責任を持つべきだと、個人的に感じます。

まとめ

ブラジルの木々を連想するイメージ

今回は、ブラジル北東部について紹介しました。

「もう一つのブラジル」ともいわれるだけあって、とても独特で素敵な文化、世界遺産などもある一方、アフリカ系をルーツとする人々が多く住む理由には、奴隷という暗い過去もありました。

しかし、今ある独自の文化や慣習は、そんな奴隷たちが生きてきて、受け継がれてきた証とも言えます。

そう考えると、暗い過去だったとしても誇れる歴史とも言えるかもしれません。

また、現代の社会問題として、北東部の貧困問題についても少し触れましたが、こういった問題は簡単に解決することではないことはわかっています。

でも、知ることがまずは大切で、光と闇の両方を知って、はじめて見えてくることもあるはずです。

どの国でも、何事でもそうですが、キレイなことばっかりじゃないんですよね…。

良いところも悪いところも知ったうえで、それでも好き、といえるのが一番だなと感じています。

これは人間関係でも同じことが言えるかもしれませんね^^;

また次回は、ブラジルの他の地域について紹介します!

最後まで読んでくださってどうもありがとうございました♪Obrigada!

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このブログを運営している人

ブラジル音楽がきっかけでポルトガル語の学習を独学で始めました。
英語とポルトガル語をたのしく学ぶために、いろいろ試行錯誤中です。
学んで得た知識や気付きなどを記事にしています♪

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