Oi gente!ポルトガル語を独学中のBrancaです。
日本語が公用語の日本。ではブラジルは…?ブラジル語ではありません。
ブラジルではポルトガル語が話されています。
ヨーロッパのポルトガル語とは文法や単語が異なっているので、それと区別するために「ブラジルポルトガル語」と呼ばれたりもします。
ポルトガル語は日本でメジャーとは言えない外国語ですよね。
ですがこれを読めば、ポルトガル語ってどんな言語なのか、その特徴がわかります♪
特徴としては、名詞に性別があったり、動詞の活用が多いことなどが挙げられます。
また、ポルトガル語にはとても情緒のある「サウダージ」という言葉があるんです。
もしかしたら、サウダージという言葉自体は聞いたことがあるかもしれませんね。
これらについて、日本語や英語と比較しながら読んでもらえると面白いと思います。
ポルトガル語自体を学ばないとしても、英語や日本語とは違う言語の特徴を知ると、なんだか自分の視野が広がりますよ♪
自分の中の「当たり前」を覆すきっかけにもなるような気がします。
それではいってみましょう!
ブラジルポルトガル語の特徴とは?
まず、ポルトガル語はロマンス系言語といわれるグループに属している言語というのが大きな特徴です。
フランス語やイタリア語、スペイン語も同じ言語グループにいるため、これらの言語には単語など似ている部分が多くあります。
これから紹介するのは、スペイン語やイタリア語にも共通している特徴ですので、知っておくだけでも多言語に精通している感じになれますよ♪
すべての名詞に性がある
実は、ポルトガル語のすべての名詞には性別があるんです。
これはポルトガル語だけでなく、ロマンス系言語全体に共通していることです。
男性名詞、女性名詞とに分かれますが、これは日本語や英語にはなかった概念ですよね。
なので、最初は戸惑ってしまいそうですが、そういうもんなんだと思ってしまえば、さほど気になるものではありません。
例えば、「お父さん」は男性名詞、「お母さん」は女性名詞、というように、生物を示す名詞の場合は、その性別と名詞の性は一致しています。
例) o pai (お父さん) → 男性名詞 / a mãe (お母さん) → 女性名詞
また、無生物の場合でも、その単語の語尾によって見分けられる大体のルールがあります。
図に表してみたものがこちらです。
もちろん例外もありますが、大体語尾が「-o」で終わるものは男性名詞、「-a」で終わるものは女性名詞となります。
基本的には、辞書には男性形でしか記載されていなかったりするので、男性形から女性形に変えたい場合にも、このルールが役立ちます。
例えば、「友達」はamigoといいますが、これは男性の友達だけのことを指しているんです。
これを女友達という意味にしたい場合には、こうなります。
例) amigo(男友達)→amiga(女友達)
★一般的には、語尾の-oを-aに変えると女性形になる
このように、基本的には語尾が「o,a,e」の母音で構成されている、と考えると意外と楽ですよ♪
動詞の活用が多い
私が、ポルトガル語を学び始めて最初にびっくりしたのがここでした。
英語と違って動詞の活用が多い…⁉
英語は動詞の活用ってそんな複雑ではありませんでしたよね。
そして、日本語であれば主語が何であれ動詞は同じ活用をしますが、ポルトガル語はそれぞれの主語に合わせて動詞を活用しなければなりません。
最初は慣れるまでしんどい気がしますが、これもそういうもんだと割り切ってしまった方が楽です。
「そうそう、こんなのあるよねー。」と知ったかぶりして気にも留めてない振りをして学んだ方が、意外と早く慣れる気がしますw
この動詞の活用については、大きく分けて規則動詞と不規則動詞という2つがあります。
不規則動詞は一つずつ活用を覚える必要がある、と言われていますが、個人的には不規則といいつつ規則的な部分もあるように思います。
そしてもちろん、規則動詞の方がたくさんあって、これにも活用のルールというものがあります。
例えば、「飲む」という動詞「beber」を現在形で表すと、このようになります。
私はジュースを飲む。→Eu bebo suco. 彼はジュースを飲む。→Ele bebe suco.
このように、動詞の語尾が主語によって活用が変わっていくんですね。
参考書には一覧表として記載されていたりしますが、私はそれではなかなか覚えられませんでした。
実は一覧表があまり面白くないと感じてしまって…独学ですしw
でも、名詞の時と同じように、語尾の「o,a,e」などの母音がポイントになりそうだなとは感じました。
そこで、そのヒントを基にオリジナルで図を考えてみたら、なんだかすんなり覚えられたんです。
その図についてはまた紹介させてくださいね♪
主語が省略できる
先ほど、ポルトガル語は動詞の活用が多いと説明しましたが、その活用のおかげで主語が省略できるという便利な点もあります。
英語では必ず主語が必要で、天気などの場合でも必ず「It」と主語を置いて表現しなければなりません。
その点、ポルトガル語は動詞の活用ですでに主語が何なのかわかるため、省略することができるんです!
そして、日本語であれば主語がない場合、文脈から推測しなければなりませんが、ポルトガル語はその必要もありません。
ポルトガル語はなんと読み手に優しい言語でしょうか…^^
ですが、勉強していく時には、やっぱり最初はきちんと主語と動詞をセットで学んでいった方がいいと思います。
最初からナチュラルさを求めるよりは、基本に忠実に。
参考に、ポルトガル語の主語はこのようなものがあります。
日本語 | ポルトガル語 |
---|---|
私 | Eu |
あなた | Você |
彼/彼女 | Ele/Ela |
私たち | Nós ( 会話ではA gente が一般的) |
あなたたち | Vocês |
彼ら/彼女たち | Eles/Elas |
見た目多いように見えますが、「私たち」以外は複数形になるとsを付けるだけの形なので結構シンプルです。
ポルトガル語は主語や動詞の活用もあって、自分で文章を組み立てるのは複雑だと感じるかもしれません。
ですが、活用のおかげで主語がなくても読むときに読み間違えることもないです。
そういう意味では、動詞の活用はとても優れているとも言えますね。
発音と読みのルールを知れば「読める」
ポルトガル語の発音は、もちろん日本語とは全く違うので確認して学ぶ必要はありますが、英語に比べると比較的慣れやすいかと思います。
英語だったら、単語の見た目と読みが全然違っているものがあったり、発音も「th」など日本人には苦手とするものが多いですよね。
ですが、ポルトガル語はほとんどがローマ字読みできるので、一旦読み方を知ってしまえば、意味はわからなくてもとりあえず読むことができるんです。
勉強していくうえで、とりあえず「読める」というのはモチベーションの維持にも役立ちますよね♪
ただし、基本的にはローマ字読みですが、ポルトガル語ならではの「読み方のルール」というものがやっぱりここにもあります。
ルールばっかり…と思ってしまいそうですが、逆にルールが決まっているから読み方に悩まなくて済むんですよね。
それに、このルールに従って読むと、一気にポルトガル語っぽくなるので読むのが面白くなってくるかもしれません。^^
例えばルールの1つとして、「語頭のhの音は発音しない」というものがあります。
ホテルならhotel(オテウ)、病院ならhospital(オスピタウ)という読み方になります。
そして、アクセントはhotelなら「テ」に、hospitalは「タ」に置いてそこを強く発音します。
これでポルトガル語の発音と読みになりました!
ちなみに、お気づきかと思いますが、この2つの単語は英語とスペルが一緒なんです。
実はもうすでに、ポルトガル語の単語を2つ知っていたことになりますね^^
ブラジルポルトガル語の文字を知る
ここからは、ポルトガル語の文字について見ていきましょう!
といっても、日本語のような独特な文字ではなく、英語と同じアルファベットです。
また、ポルトガル語らしい記号を用いた文字もあるので、その点英語よりバラエティに富んでいます。
英語と同じアルファベットが基本
ポルトガル語は英語と同じA~Zのアルファベット26文字を使います。
でも、実は2009年まではポルトガル語のアルファベットは23文字だったんです。
それまでK・W・Yの3つは人名や外来語のみで、正式には使用されていませんでした。
その後正書法というものが改正されて、この3つも加わることになったので26文字のアルファベットになったというわけです。
「東京」のスペルは「Tóquio」って書くんですよ!面白いですよね^^
これはポルトガル語がkもyも使われてなかったからだったんですね。
ポルトガル語のアルファベットの発音として、こちらの動画がわかりやすくカラフルに紹介されています♪
個人的には、JとRはこんな発音をするのか!と初めて知ったときは意外でした。
J(ジョッタ)、R(エヒ)みたいに発音するんですよね。
また、書き方の違いで言えば、英語は曜日や国籍を表すときには、最初の文字を大文字ににしますが、ポルトガル語の場合は小文字を使います。
例) 英語:Sunday →ポルトガル語:domingo
英語:Japanese →ポルトガル語:japonês
大文字になるのは文の始まりや、固有名詞などに限られているので、文字の大小については英語よりシンプルでいいかもしれません。
ただし、ポルトガル語には、英語にはないものがあるんです…。
それが「綴り字記号」というものです。
文字に綴り字記号がある
綴り字記号とは、「á」や「ç」などアルファベットの上や下につく記号のことをいいます。
この綴り字記号があることで、その部分にアクセントがあることを示したり、正しい発音を示したりすることができます。
先ほどの「ç」などはフランス語で目にしたこともあるかもしれませんね。
そして、ポルトガル語の綴り字記号は以下の5つがあります。
綴り字記号のある音 | 記号の名前 | ルール |
---|---|---|
á é í ó ú | アセント・アグード | 母音の上につく |
â ê ô | アセント・シルクンフレクソ | a,e,oにつく |
ã õ | チウ | a,oにつく |
à | アセント・グラーヴィ | aだけにつく |
ç | セジーリャ | cだけにつく |
名称は覚える必要はないので、こんなのがあるんだなー程度に見てみてください。
これは余談ですが、この綴り字記号も2009年の正書法改正によって1つ少なくなり、5つになりました。
なので、参考書などで2009年より前のものだと改正前の書き方がされていることもあるので、ちょっと意識しておくといいかもしれません。
複雑なニュアンスを表せるポルトガル語 ”saudade(サウダージ)”
ポルトガル語の代表的な単語として、このsaudade(サウダージ)は外せません。
ポルトガル語の単語だったとは知らなくても、その言葉を聞いたことは意外とあるかもしれませんね。
日本の歌でもタイトルになっていたりします。
でも、実はこのsaudadeはポルトガル語特有の言葉で、外国語の一つの単語に翻訳するのが難しい言葉だと言われています。
意味としては、郷愁、憧憬、思慕、切なさなどの複雑なニュアンスを持つ言葉です。
今はもうここにないものを想う切なさや、追い求めても叶わない憧れ、子供時代を懐かしむ気持ちなど…
どことなく胸が少し、きゅんと切なくなるような感情を含んでいます。
複雑な気持ちを一言で表せるなんて、素敵な言葉だと思いませんか?
“I miss you.”のようなニュアンスでよく会話でも使われますが、その意味は英語のそれより深いものになります。
そして、ポルトガル語の歌詞にもこの言葉は本当によく出てくるんですよ。
参考までに、こちらはタイトルが”saudade”という歌です。優しい歌ですので、良かったら聴いてみてください♪
自分の気持ちを思い返すと、大学時代、夕暮れ時の家々の灯りと夕食の匂いで、ふいに実家を思い出してなんだか切ないような気持ちになったことがあります。
寂しいわけではないけど家庭の温かさみたいなものが思い出されて、急に昔に戻ったような感覚になりました。
あれもsaudadeと言えるのかな…と今は思ったりしています。
こういったニュアンスの感情は、きっと誰しもが抱いたことのあるものではないかと思います。
これを一言で表現できるポルトガル語って奥が深くて、すごく人間らしい言語なのかもしれないですね。
まとめ
今回は、ブラジルポルトガル語はどういった言葉なのかを、特徴や文字の視点からまとめてみました。
特徴としては、名詞に性別があることや、動詞の活用が多いことなどがありました。
これは英語とは違うものなので、最初はとっつきにくいものかもしれませんが、慣れてくれば面白くなってきますよ。
また、文字は英語と同じアルファベットですが、綴り字記号があることで英語とは異なる部分もありました。
最後には、複雑な感情を表せるポルトガル語の代表的な言葉、”saudade”についても紹介しました。
一言で表現が難しいという感覚は、日本で言う「わびさび」に近いものもあるかもしれません。
どちらの言葉も、外国語では1つの単語に置き換えられないもので、ニュアンスを掴んで心で感じる必要がありますよね。
そういう意味では日本語とポルトガル語は似ているようにも感じます。
ポルトガル語の世界に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです♪
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!Muito obrigada!
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