【七面鳥(ターキー)と呼ばれるのはなぜ?】世界各国での名前の由来と歴史との関わり

Hi, everyone!英語とポルトガル語を学習中のBrancaです♪

七面鳥って日本ではそんなに馴染みがないですが、欧米のクリスマスのごちそうの定番というイメージがありますよね。

有名なアメリカンシットコムのフレンズでも、クリスマスに超巨大な七面鳥が登場するエピソードもあります。

七面鳥は英語でturkey(ターキー)といいますが、これはトルコ(turkey)の国名と同じスペル、同じ読みです。

それに対して、ふとポルトガル語では何と言うのかと調べてみると…なんとポルトガル語で七面鳥はperu(ペルー)でした

この七面鳥って鳥は、言語によっていろんな国の言葉がついているのかもしれない…

そう思って調べてみると、七面鳥は予想以上に多国籍な名前をたくさん持っていて、なんとインド由来の呼び名まであったんです!

そこで今回は、七面鳥の名前の由来と、そこからわかる時代背景などについてまとめてみました。

日本で七面鳥と呼ばれる所以、英語でturkeyという呼び名となった理由も、この記事を読めばわかります^^

七面鳥の名前を知っても…と思われるかもしれませんが、名前の由来からわかる歴史的背景や、言語と文化が密接に関わっていることが改めて感じられますよ。

雑学として、意外と知っていて損にはならない面白い話だと思います。

ぜひ、気楽に読んでいただけると嬉しいです。それではいってみましょう♪

目次

七面鳥は北米に生息する大型の鳥

七面鳥の画像

七面鳥の名前の理由を辿るために、まずは一応生息地について確認してみました。

七面鳥はアメリカ、カナダ南部、メキシコといった主に北米に生息している鳥。

他にも七面鳥にはこのような特長があります。

  • 大きい個体ではオスは全長120cm、体重9㎏、メスはそのおよそ半分と雌雄での差がある。
  • 短距離なら飛ぶこともできるが、基本は危険時でも走って逃げる。
  • アラームコールと言われるオスが出す警戒声は、歓声のような独特な声をしている。

食用としても飼育されていて、今ではアメリカ、カナダでは感謝祭、そして欧米のクリスマスのごちそうの定番メニュー。

北米に生息ということから、turkey(ターキー)という名の由来は生息地とは関連がなかったということがわかりますね。

ではまず先に、なぜ日本で七面鳥と呼ばれているのか、その理由について見てみましょう。

日本語での呼び名は顔色が変わることに由来する

日本へはオランダによって明治時代に持ち込まれ、「七面鳥」とはその見た目の特徴から名づけられたものでした。

七面鳥の首から頭の部分は皮膚が裸出しているため、普段その肌の色は上が青白く、下の方は薄いピンク色。

七面鳥の顔色がわかる画像

ですが、興奮したりするとその色は赤、青、紫など大きく変化し、濃淡も様々な色を見せます。

その様子から、「七つの顔(面)を持つ鳥」という意味で、「七面鳥」と名付けられたそうです。

7色に色が変わるというわけではなく、多様に色が変化することから「七」という表現が使われたと言われています。

一方、英語での呼び名であるturkey(ターキー)の由来について見てみましょう。

なぜ英語でターキーと呼ばれるようになったのか?その理由は勘違いから

ターキーと呼ばれる由来のトルコの景色

七面鳥の英語名であるTurkey(ターキー)とは文字通り、トルコの国名と同じものです。

同じ名前になったのは偶然ではなく、当時から「トルコの」という意味合いを含むものとして呼ばれていたからでした。

その理由は、大航海時代まで時代を遡ると名前の由来が見えてきます。


大航海時代、東方やイスラムからヨーロッパに伝来・輸入するには、地理的理由からトルコを経由する必要がありました。

当時、オスマントルコ帝国が大きな力を持っていたことも理由にありますが、トルコを経由して輸入されていたものには「ターキー(トルコ)〇〇」と名付けられていたそうです。

そして、16世紀頃ヨーロッパに持ち込まれた七面鳥は、実際はトルコを経由していなかったとも言われています。

ですが、七面鳥もおそらくトルコ経由でやってきたものだとされ、安易にターキーと名付けられたとのこと…。

というのも、当時トルコ商人たちが輸入していたアフリカ原産のホロホロ鳥(turkey cock(トルコ鶏))という別の鳥に似ていたことから、混同されてしまったとされているんです。

その後、七面鳥はホロホロ鳥とは別の鳥であると判明したのですが、turkey(ターキー)が定着していたため、そのままターキーという呼び名になってしまいました。


なんだか由来を知るとちょっとかわいそうな気もしますが、実は七面鳥の悲劇はそれだけに終わりませんでした…。

続いては、英語以外での言語での七面鳥の呼び名の由来について紹介します。

七面鳥の名前は多国籍!世界各国での呼び名の由来

英語でturkey(ターキー)と呼ばれる七面鳥は、実は言語が変われば呼び名の由来も変わる、という面白い現象が起こっていたんです!

ヨーロッパ各国の七面鳥の呼び名語源と分布について表してある、このような地図があります。

世界での七面鳥の名前分布がわかる地図
https://vividmaps.com/he-word-turkey-bird-in-various-european/

これを見ると、確かにイギリスはturkey(ターキー)、そしてポルトガルを見ると、なんとperu(ペルー)となっていますよね!

そして、肝心なトルコでの呼び名は、hindi(ヒンディ)…そう、インドですw

なんだか混乱してきそうなので、以下の表でいくつかの国と呼び名・語源を照らし合わせてみました。

呼び名語源・由来
イギリスturkeyFrom トルコ
ポルトガルperuFrom ペルー
スペインpavoラテン語由来
フランスdindeFrom インド
イタリアtacchinoオノマトペ由来
ドイツtruthuhnオノマトペ由来
スウェーデンkalkonインドの都市(オランダ語由来)
ロシアindjúk From インド
トルコhindiFrom インド

これだけ見ても、意外にトルコが由来の呼び名の国よりも、インド由来の名前も多いようですね。

そして地図を見ると、大体のエリアによってその由来が異なるのもわかります。

七面鳥は世界を羽ばたいています…が、ある意味たらい回しにされているとも言えますね^^;

続いて最後に、その他の国でインドやペルーといった呼び名になってしまった理由についても紹介していきます。

七面鳥の名前の由来からわかる歴史的背景

多国籍な名前を連想するイメージ

英語でのturkey(ターキー)がトルコの国名と同じである理由については、その当時の時代背景を見ることでわかりました。

そして、他の国からでの呼び名の由来についても、やはり似たような理由があったようです。

トルコではhindi(=インド)と呼ばれる理由

hindi(ヒンディ)とは、「インド人」や「インドの」という意味です。

諸説あるものの、トルコで七面鳥がインドと呼ばれる理由については、コロンブスがアメリカ大陸を発見した際にインドと勘違いをしたことが由来だとされています。

アメリカ大陸はインドの一部だと思われていたこともあったため、フランスやロシアなども同じように、インドを由来とした呼び名となっています。

北欧諸国でのkalkonなどの呼び名も、もとは「カリカット」というオランダ語でのインドの都市の名を借用したものとされています。

ということで、北欧諸国での七面鳥の呼び名も大きくまとめればインドが由来のものだといえます。

インドを語源とした呼び名になってしまった理由を見ると、やはり当時だからこそ起こった勘違いからだったことがわかりますね。

ポルトガルではperu(=ペルー)と呼ばれる

七面鳥は南米には生息していないため、ポルトガルへは本当はメキシコから持ち込まれたものだったようです。

北米大陸から持ち込まれた七面鳥だったのに、なぜペルーとなってしまったかというと…

当時スペインが占めていたアメリカ大陸の範囲を示す名称として、peru(ペルー)と表現されていたことが由来しています。

このペルーが由来となった名前は、ポルトガルからイタリアを通じて、クロアチアとスロベニアも同様の由来として用いられています。

南米のブラジルもポルトガル語圏なので、七面鳥はperuと呼ばれます。

地図には載っていませんでしたが、インドでも、ペルーを意味するpīrūと呼ばれます。

そしてペルーでは、スペインと同じラテン語由来のpeacockを意味するpavoとなります。


由来の国を一部追ってみると、このようになります。

七面鳥は英語ではturkey(トルコ)→トルコではhindi(インド)→インドではpīrū(ペルー)→ペルーではpavo(ラテン語由来の言葉)…

もはやよくわからなくなりそうですが、由来の国を追ってもゴールがないことはわかりました^^;

そして、もう一つわかったのは、国の名前から由来した呼び名はどれも、当時の交易状況や歴史に影響を受けているということです。

そう考えると、日本の七面鳥という名前は見た目の特徴を捉えていて、意外に一番いい呼び名なのでは、とも思いませんか?

呼び名は違えど七面鳥が世界に広まった経緯や、名前がグローバルな理由を知ると、歴史と言葉はやっぱり密接に関わっているんだなということを感じます。

まとめ

今回は、七面鳥の呼び名の由来とその分布について調べてみました。

日本で七面鳥と呼ばれる理由は、顔色が変化するという見た目の理由からくるものだったということや、英語でターキーと呼ばれる所以などもわかりました。

七面鳥はヨーロッパへはトルコ経由で伝来しなかったはずなのに、他の鳥と混同されてしまったがゆえにターキーという名になってしまった、というちょっと残念?なお話でした。

それに加えて七面鳥は、インドやペルーといった、さらなる多国籍な名前が他言語でも名付けられてしまうという、七面鳥にとっては災難ともいえる事実もわかりました^^;

雑学的な内容ですが、その七面鳥の名前の理由を知ると、意外にも当時の歴史背景などがわかって、なんだか面白い現象ですよね。

まだまだ知らないだけで、世界にはこういった言葉の変化があるのかもしれませんね。

言葉というものに対して単なるツールとしてではなく、そこに含まれる文化も感じてみると、より面白みが増すと思います^^

最後まで読んでくださって本当にありがとうございました!

I hope you‘ll have a good day today as well!

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このブログを運営している人

ブラジル音楽がきっかけでポルトガル語の学習を独学で始めました。
英語とポルトガル語をたのしく学ぶために、いろいろ試行錯誤中です。
学んで得た知識や気付きなどを記事にしています♪

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 面白かったです♪
    七面鳥をスケッチした時に、変な鳥だなぁ〜とは思いましたが、名前の由来までは考えませんでした。
    名前にも歴史あり!ですね。
    近日中にFacebookでシェアさせていただきます。

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